ぼっち☆ぼち

アラフィフおひとりさまの、他愛もない長〜い独り言です。

若葉荘の暮らし

久々に、共感できる本を詠みました。「若葉荘の暮らし」畑野智美著。

こう言うシェアハウスあったら住みたい。お互いに干渉せず、詮索せず、1人ではない空間でゆるゆると暮らす。40代以上独身限定と言うのもいい。

以前、この作品のような小説もどきを書いたことがあります。ちょっと年配の管理人さんがいて、住人は全員独身女性(但し年代はアラサーからアラフォーで少し若め)。住人が何らかの問題を抱えているのも同じ。

書いたきっかけが、実際にはそう言うタイプのシェアハウスがないこと。あと、例えばDVなどで弱くて苦しい立場の女性(たいがい既婚もしくはシングルマザー)を助ける施設なんかはあるけど、ごく普通のワーキングプア的な独身女性を助けてくれる施設はなくて、あったらいいなと思ったから。「若葉荘」も最終的にはそう言う方向性に進むのですが、同じように考えている人がいるのだな、と嬉しくなりました。 

世間や政府は、独身者には本当に冷たいです。本当かどうかは分かりませんが、「独身税」の検討もしているとか何とか。独身者は、何の恩恵も受けられないのに、税金ばかりは人並みにはらわなくてはならないのに、更に搾取しようとしている。本当にやめてほしい。

「若葉荘みたいに、独身の女性が安心して暮らせる場所を増やしていきたい。本当は公助を期待できる世の中になって欲しい。けれど、今の日本を考えたら、それを望んでいる間に、何十年も経ってしまう。その間に、自助ではどうしようもなくなる人が増えていく(中略)私に出来るのは、同じような立場の女性の為の場所を増やすことだけ。適度な距離感で暮らして、いざという時に助け合えるアパートは、これから必要になっていく」

「今は、女性の選択肢の多さが貧困の理由なんだろうね(中略)昔は結婚して、専業主婦になるのが当たり前だった。でも今は、専業主婦の人もいれば、正社員で働き続ける人もいれば、派遣や契約やアルバイトの人もいる。結婚する人、しない人、子供のいる人、いない人、離婚した人。様々でしょう(中略)独身で、派遣や契約やアルバイトでも暮らしていける。けれど、それでは将来的に生活できなくなってしまうかもしれない。それなのに、そういう暮らしをしている女性はとても多い(中略)私が前にやっていた派遣や契約の仕事は、正社員がやるほどの事ではないのでしょう。働く方としても、正社員ほどの仕事が出来ないと言う場合もある。正社員になれば義務が多くなり、子育て中や介護中だと対応しきれなくなる。デパートやショッピングモールの店員は、女性が大半ですが、彼女たち全員をフルタイムで働く正社員にすることは、お互いが望むことではない。今まではそれでうまく回っていたけれど、これからはそうも言っていられなくなる」 

若葉荘の住人たちのセリフが、読むたびに深く心に刺さってきます。かく言う私も、30代半ばからずっと、非正規社員として働いてきてますから。どちらかというと望んで、と言うよりも、不本意な形で。今はもう、正社員として働いていく自信はありませんし、なれるとも思えませんが。生活は…ギリギリかな。実家住まいですし、やはり独身の姉がいるので、2馬力なら何とかいけるかも、と言うレベルです。1人ではとても無理。

同世代おひとりさまのブログ記事を読んでいますが、非正規でひとり暮らししている人もいますし、実家で親の面倒を見ながら暮らしている人もいます。不安定な中で、それでも生きていかなければならない。でも独身女性には公助がない。公助されるのは、シングルマザーとか既婚者ばかり。彼女たちの立場が大変なのは分かるけど、たくさん支援金など貰えていいなと思います。

この小説の世界が現実になるといいな。でも、その頃にはもう、働いていないと思うけどね。真面目に働いているけど、報われていない30代から40代の独身非正規女性たちが、少しでも報われて欲しい。